インドネシアの首都移転先「ブキット・スハルト」とは?

8月26日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は首都移転についての計画の詳細を発表した。

それによると、首都の移転先は東カリマンタン州にある『ブキット・スハルト(Bukit Soeharto)』になるという。ここは東カリマンタン州の州都サマリンダとバリックパパンの中間に位置しているが、今の時点ではまだ都市開発が進んでいない。

首都移転を前提にした開発は、来年2020年より行われるという。

問題山積のジャカルタ

インドネシアの首都移転は、中部カリマンタン州パランカラヤが最有力候補地と言われていた。

パランカラヤは元来、インドネシアの首都となる予定で設計された都市である。この計画を進めていたのはスカルノ大統領だったが、結局はオランダ植民地時代からの大都市だったジャカルタがインドネシアの首都として現在に至る。

21世紀に入ると、ジャカルタの都市キャパシティーの問題が徐々にクローズアップされるようになった。特に雨季のジャカルタで発生する洪水被害は深刻だ。以前は「5年に一度の大洪水」と言われていたが、もはや車両が水没するほどの洪水は毎年のものになっている。これは都市全体の地盤沈下が主な原因だ。

交通渋滞も深刻で、あらゆる政府機関や国内外の企業の本社が集中しているため、幹線道路の麻痺は都市機能そのものに悪影響を及ぼしてしまう。

こうした事情も踏まえて、ジョコ大統領が選んだ移転先はかつてスカルノが思案していたパランカラヤではなく、ブキット・スハルトとなった。

森林地帯ブキット・スハルト

ここで、パランカラヤとブキット・スハルトの位置関係を見てみよう。

上の地図内に赤丸で囲っているのがパランカラヤ、白丸のそれがブキット・スハルトである。ブキット・スハルトは、より海に近い場所に位置しているのが分かる。

なお、先述のようにブキット・スハルトには現時点で都市が存在するわけではない。Google Earthで見ても分かる通り、そこは森林地帯である。ここを開拓して首都となり得る都市を建設するということは、非常に大規模な開発が行われていくということだ。

これをインドネシアの国内企業だけで実行するのは難しく、外資の力も必要になってくる。日系企業にとっても多くのビジネスチャンスがあるだろう。

大開発に向けて

ジョコ大統領の計画によると、ジャカルタからブキット・スハルトへの移転開始は2024年から行われるという。もちろんこれは段階的なプランの第一歩であるが、2024年といえばジョコ大統領の任期最後の年である。首都移転全ての完了は2045年を目指すという。

インドネシア大統領の任期は最大10年(2期)のため、ジョコ大統領が2024年以降も現職のままで居続けることはない。ジョコ氏が大統領を退任した2025年以降に、首都移転計画が覆されることのないように進めるという強い意気込みが見受けられる。

移転プロジェクトの費用は466兆(約3.5兆円)で、この19%を政府が拠出し、残りは官民連携事業と民間投資でまかなう計画だ。日系を含む外資に対しても当該地域への投資を積極的に呼びかけていくだろう。

【参考・動画】

Resmi! Presiden Jokowi Umumkan Lokasi Ibu Kota Baru-YouTube