【ジャカルタMRT特集】「早くて安い」交通機関が正式開業へ(第4回)

ジャカルタ中心部の南北をつなぐMRTの試乗会は、まさに大盛況のうちに終わった。

地下鉄に乗ること自体が初めての人も多く、1日に約5万人の市民が試乗会に押し寄せるなど、MRTは大きな注目を浴びている。

当初は料金が確定していなかったが、来月からの正式開業に向けてジャカルタ州政府がMRTの具体的な料金を発表した。

料金は最大1万4000ルピアに

この料金を決定するにあたり、州議会では与野党を巻き込んだ激しい議論となった。

公共交通機関として採算の取れる料金設定でなくてはならないが、だからといって高値に設定すれば利用客が離れてしまう。そこでジャカルタ州からの補助金をMRT事業にどれだけ充てるかということが議論の対象になったのだ。

ジョコ・ウィドド大統領や政権野党まで巻き込んだ議論は、以下のような形で収束した。

初乗り3000ルピア(約23円)、始発から終点までは1万4000ルピア(約109円)、基本的に10km進む毎に1万ルピア(約78円)加算という内容である。

他の交通手段を比較してみよう。路線バスのトランスジャカルタは一律3500ルピア(約27円)だが、レバック・ブルスからブンダランHIまでトランスジャカルタで行く場合、西方向へ大きく迂回するルートを取らなくてはならない。

次に、ライドシェアサービスGo-Jekで同区間の料金を調べてみる。現金では3万9000ルピア(約304円)、Go-Pay使用では3万8000ルピア(約296円)と出た。

MRTはトランスジャカルタよりは高いが、ライドシェアと比較したら3分の1近くの料金である。また、ジャカルタの車道は慢性的な渋滞を起こしていると考えると、MRTは格安かつ迅速な交通手段になり得るだろう。

MRTの周辺産業

MRT駅では、駐車場の整備も進められている。

レバック・ブルスはバンテン州南タンゲランと接した地区である。南タンゲランに住む人が二輪車でMRTレバック・ブルス駅に行き、そこからHI駅まで行くということも想定される。もしレバック・ブルスから引き続き二輪車を使った場合、ジャカルタの目抜き通りであるスディルマン通りを抜けるだろう。しかし、ジャカルタの車道渋滞は深刻だ。

また、MRTの開通によりジャカルタにも『MaaS』に似たシステムが確立する可能性もある。

MaaSとは「Mobility as a service」の略語で、当初はフィンランドのヘルシンキで提唱された交通概念だ。鉄道、ライドシェア、バス等の全ての公共交通機関を組み合わせ、個々に最適な移動手段を同一のプラットフォームで提示するという仕組みである。

Go-Jekの普及がWarung Pintarの登場につながったように、MRTの存在を起点にしたサービスが人気を集めてくるはずだ。今後は「MRTの周辺産業」にも注目が集まるだろう。

【参考・動画】
Operasional MRT Jakarta Hari Pertama-YouTube
Fasilitas Parkir untuk Pengguna MRT Jakarta-YouTube