【インドネシア大統領選挙】食料自給率向上と農産物輸入規制を掲げるプラボウォ陣営(第4回)

今年のインドネシア選挙で現職ジョコ・ウィドド氏に対抗するのは、元軍人のプラボウォ・スビアント氏である。

プラボウォ氏の公約は、ジョコ氏よりも保護主義的と言える。プラボウォ氏は現状に対して「輸入過多」と語っており、度々公言するのは「stop impor」という言葉である。

農産物輸入の規制を訴える

インドネシアの農家を苦しめる貧困問題に関して、現職ジョコ氏はインダストリー4.0の導入を提唱している。

工業分野の生産をオンライン管理することにより、劇的な効率化を目指すというものだが、製造業のみに留まらず、農業分野においてもオンライン化とAIの活用は劇的な効率化をもたらす。実現のためには生産者と小売市場をつなぐオンラインシステムとその管理者の存在が不可欠であり、ジョコ氏はITスタートアップの重要性を説いている。

それに対してプラボウォ氏はインダストリー4.0の重要性に賛同しつつも、「同時に、農産物の輸入を規制しなければならない」と、語った。

インドネシアの農家の貧困は、外国からの過度な輸入によるものという見解をプラボウォ氏は持っている。今後食糧危機が発生しない限りは、食料の輸入を停止しても問題はないとも発言している。

食料は自給自足可能か?

インドネシアの食料事情は、近隣諸国の影響が大きい。

牛肉はオーストラリアとニュージーランド、コメはタイとベトナムというように、必要な食料を国外からの輸入に頼っている状況だ。

この状況に対しては多くの意見があり、食料の自給自足は可能だが、必要以上に輸入に依存するため国内の農家が疲弊しているという意見も存在する。

そこで、今すぐに大幅な食料輸入規制を導入するべきだというのが、プラボウォ陣営の看板公約である。

また、プラボウォ陣営が想定する規制対象は食料以外の生活必需品や、原油等のエネルギーにも及ぶ。それらの先駆けとして、まずはコメの輸入をストップしようと有権者に訴えかけている。

保護主義の傾向について

現実問題としてインドネシアがどこまで食料輸入を制限できるか、という指摘もある。だがプラボウォ氏が大統領に就任した場合、この経済保護的な姿勢が工業分野にも及ぶ可能性がある。

世論調査ではジョコ氏の優勢が続いているが、もしプラボウォ氏が当選する場合は、保護主義の傾向が進みインドネシアに進出している日系企業に影響してくる可能性もあり、注視が必要となってくる。

【参考・動画】
Gelar Kampanye Terbuka, Prabowo Subianto Janji Tak akan Impor Produk Pertanian - SIP 01/11