【インドネシア大統領選挙】eスポーツを通じた選挙活動にも力を入れるジョコ陣営(第3回)

前回のインドネシアの大統領選挙は2014年。それから現在までの間、スマートフォンはインドネシアで急速に普及し、また、大幅な進化を遂げた。

スマホでプレイするオンラインゲームの市場も発展した。高価なゲーミングPCを用意しなくとも、スマホがあればいつでも世界中のプレイヤーと腕を競い合うことができる。特に『荒野行動』や『PUGB Mobile』に代表されるFPS/TPSゲームは、短期間で世界各地のスマホユーザーに浸透した。

こうしたこともインドネシア大統領選挙に少なからず影響を与えている。

与党支援団体がPUBGの大会を開催

2月17日、西ジャワ州チアミスでPUGB Mobileのトーナメント大会が開催された。

主催者は現職大統領ジョコ・ウィドド氏の支援ボランティア団体である。

この大会には約100チーム、総勢約600人が参加。数を見ればかなりの規模になっているが、これはゲーミングPCを使う内容ではない。風雨を凌げる建物の中に椅子とテーブルと電源があれば、この大会は成立する。

参加者の多くは若者だ。90年代後半から2000年の間に生まれた世代は、インドネシアでは大きな票田を形成しており、去年2018年には20~34歳の国民は9000万人に達した。現職も対立候補も、この世代へのアピールは欠かせない。

ジョコ氏は、オンラインゲームとそれをプレイする若者に対してより先進的な姿勢を取っていると言える。

話題の「大統領杯」とは

現在、インドネシア各地でeスポーツ大統領杯の予選大会が行われている。

この大統領杯は、3月30~31日にジャカルタでグランドファイナルが開催される。競技タイトルは『モバイルレジェンド』。5対5で戦い、最終的に相手の本拠地を破壊したら勝利というルールだ。このモバイルレジェンドも、スマホでプレイするゲームである。

大統領府や情報通信省が全面的に支援しているこの大会は、YouTubeでも生配信が行われている。3月12日の夜に行われた生配信では、多い時で3万5000人以上の同時視聴者を集めた。

ジョコ氏の若年層に対する姿勢は、eスポーツ以外の分野でもはっきりと表れている。ジャカルタにはAppleのデベロッパーアカデミーが既に設立されているが、今年4月からはスラバヤ校も開校予定である。

このスラバヤ校の定員は200人であるが、当初は1000人以上の若者が応募していた。このデベロッパーアカデミーも、若年層の力に期待をかけるジョコ氏の考えを反映しているようだ。

今回は現職ジョコ・ウィドド氏の視点から「選挙と若年世代」について考察した。次の記事では、対立候補のプラボウォ・スビアント氏の政策の方向性について書いていきたい。

【参考・動画】
PECADO RUSUH! 1 SKUAD LANGSUNG DIKIRIM KE LOBBY! - PUBG Mobile Indonesia-YouTube