【2014年大統領選挙】候補者を一挙紹介(1)

まず、

  • 1億5000万人の直接選挙!大統領選挙の仕組み

  • 副大統領とペアで立候補!大統領選挙の出馬ルール
で選挙制度について説明します。
  • <候補者1>巨大財閥一族!アブリザル・バクリ氏
  • <候補者2>元軍人の強い指導者!プラボウォ氏

の2人を紹介します。

1億7000万人の直接選挙!大統領選挙の仕組み

 まず、インドネシアの選挙制度について紹介します。

 選挙権は、大統領選挙、首長選挙、国会・地方議会の議員選挙すべての選挙において、インドネシア国籍を持つ満17歳以上のすべての男女、または既婚者に与えられます。(普通選挙)一人一票。(平等選挙)

 インドネシアでは大統領選挙も、直接選挙。有権者が大統領になってほしい人に投票できるシステムですちなみに、回(2009年)の大統領選挙有権者数は約1億7000万人で、世界有数規模の直接選挙になりました。

 過去には組織票などがありましたが、現在は秘密選挙が守られています。(ただし、票の買収などは後を絶ちません)

副大統領候補とペアで立候補!大統領選挙の出馬ルール

 大統領選挙では、大統領候補と副大統領候補がペアで出馬します。

 異なる政党の政治家が連立としてペアになっても出馬可能。また、大統領候補が政党に属していれば、副大統領候補が無所属であっても出馬できます。 

 大統領に選ばれるには、選挙で過半数を獲得しなければなりません。過半数を獲得した候補ペアがいなければ、得票数上位の2組から選ぶ決選投票が予定され、決まります。

 任期は一期5年。連続は2期まで。

 2013年現在の大統領・ユドヨノ氏は、民主党所属。2004年は無所属のカラ氏と組み、2009年は無所属のブディオノ氏と組んで当選。3期連続は不可なので、大統領のポストから退かねばなりません。さて、次の大統領はだれなのか? これまでに出馬表明をした話題の人物を紹介します。

<候補者1>巨大財閥一族!アブリザル・バクリ氏

 バクリ氏(Abrizal Bakrie/Aburizal Bakrieの表記もあり、バクリーとも)は、天然資源開発から不動産と幅広い領域を手がける財閥バクリーグループのオーナー。インドネシアの実業家と言えば華人が目立ちますが、バクリ氏はプリブミ(土着系インドネシア人)。プリブミの実業家の代表の一人です。

 また、これまでに経済調整大臣、国家福祉調整大臣としての経歴もあります。国家福祉調整大臣として来日したこともあり。

7月1日、ゴルカル党の指名を受けて、党首のアブリザル・バクリ(Abrizal Bakrie: 65歳)が2014年大統領選への立候補を宣言した。プリブミ(マレー系原住民)系の企業グループ、バクリ・グループの代表であるバクリは、2004年のスシロ・バンバン・ユドヨノ政権発足とともに重要閣僚として入閣して政界入りし、2009年からはスハルト時代の与党で、現在の議会第2党であるゴルカルの党首に就任している。(略)
 自らの経済政策のコンセプトとして、スハルト時代の第2次開発5カ年計画(1974~1979年)から採用された「開発の三原則」(Trilogi Pembangunan)を持ちだしている。開発の三原則とは、(1)十分に高い経済成長、(2)全国民の社会的公正の実現を目標とした開発のその成果の平等、(3)健全でダイナミックな国家の安定、の3つの課題を達成することを開発政策の目標とすることである。この三原則は、スハルト時代を通じて、開発政策を立案するうえでの基本的指針となったものであった。バクリは、この開発の三原則を経済政策の中心に据えようというのである。
 ジェトロ・アジア経済研究所 「ゴルカル党のアブリザル・バクリ党首が2014年大統領選出馬を宣言」

 実業家だけあり、経済成長、開発政策を掲げています。
 しかし、最近は実業家としてはあまり羽振りはよくない様子。


 ゴルカル党党首のアブリザル・バクリー氏が率いる財閥バクリーグループが地盤沈下している。出資する英石炭開発ブミの子会社で不正流用疑惑が浮上し、株取引が停止。グループの躍進に大きな貢献を果した傘下の石炭開発企業も巨額赤字に転じ、泥噴出事故の補償の未払い問題も残る。昨年7月に早々とゴルカル党の大統領候補に決まり、来年の大統領選の準備を着々と進めてきたバクリー氏の選挙戦にも影を落としかねない状況だ。(じゃかるた新聞、2013年05月07日、「バクリー大統領」に暗雲 財閥地盤沈下 不正流用疑惑、巨額赤字 尾を引く熱泥事故 より引用)

 また、財閥下のエネルギー会社が東ジャワ州シドアルジョで泥火山問題(wikipedia 「シドアルジョの泥火山」参照)を起こし、住民に十分な補償金を払っていないため、東ジャワでバクリ氏の評判は芳しくありません。

<候補者2>元軍人の強い指導者!プラボウォ氏

 プラボウォ氏(Prabowo Subianto)は、元軍人。スハルト元大統領の娘婿(後に離婚)として国軍でキャリアを重ね、陸軍特殊部隊や陸軍戦略予備軍司令官を歴任。1998年のスハルト政権崩壊後はヨルダンに亡命していましたが、帰国後に政治活動を活発化。2009年の大統領選挙にはメガワティ前大統領と組んで副大統領候補として出馬しています。


 スハルト大統領の義理の息子にあたるたけあり、スハルト大統領の影響を大きく受けています。


 指針では、2019年までの次期大統領任期中に、1人当たり国内総生産(GDP)を3,500ドルから6,000ドルに引き上げ、貧困層を縮小させるなど経済成長の質の向上を図る。政府、民間が協力して雇用を拡大し、先進国に比べて低い税収のGDP比を16%以上に上げ、財政効率を改善するとうたう。国内の裾野産業育成、インフラ開発の加速のほか、国営企業を経済の自立に向けたけん引役にするというナショナリズム色の強い項目もある。
 経済における政府の役割を重視し、所得再分配に主眼を置く。公的マイクロクレジット機関の創設、低所得者向け安価住宅の供給、伝統市場の保護と近代化を列挙。貧困層向け無料医療など庶民の要望が強い医療サービスも強化を図る考えだ。 「じゃかるた新聞、2013年07月24日、スハルトの影ちらり 再配分、農村、パンチャシラ プラボウォのグリンドラ党 6指針を発表」より引用

 優柔不断なユドヨノ大統領と比べて力強くリーダーシップに富む人物というイメージを民衆に与え、支持されています。

 しかし、国際的な評価は低い人物。独立前の東ティモールで市民虐殺に関与したという事実は変わりありません。もしプラボウォ氏が大統領に選ばれた場合、国際的な批判は避けられそうにありません。


 来年7月大統領選挙の有力候補に挙がっている退役軍人プラボウォ・スビアント氏(61)。古顔が並ぶ世論調査では軒並み上位を占め、自ら率いるグリンドラ党も支持率が上昇。15年掛けて名誉回復と強力なリーダーシップのイメージ確立に取り組んできた戦略家だ。
 スハルト政権を支えた著名経済学者の息子で、スハルト元大統領の娘婿。将来の大統領候補と有望視される一方で、東ティモールの市民虐殺など軍の秘密工作を指揮する強面の軍人―。
 謎に包まれたエリート軍人のイメージは、スハルト政権末期に発生した陸軍特殊部隊(コパスス)司令官在任中の活動家拉致事件、陸軍戦略予備軍(コストラッド)司令官在任中の5月暴動でさらに強まった。「じゃかるた新聞、2013年05月31日 、【揺れる民主化・2部政治】(3)古傷忘却、追い風に プラボウォ」より引用