【インドネシア大統領選挙】現職ジョコ大統領、2期目当選へ

4月17日に開催されたインドネシア大統領選挙は集計に時間を要し、公式結果は5月22日に発表される予定だ。民間の各調査では、概ね55対45の差でジョコ氏優勢が伝えられている。

一方で、ジョコ氏の対抗馬であるプラボウォ・スビアント氏は今も敗北宣言を出していない。来月の公式発表後、プラボウォ陣営は選挙結果を巡って提訴するという観測もある。

現職が優勢

前回の選挙では、プラボウォ氏はジョコ氏に対して追い上げを見せた。

今回もプラボウォ陣営は、40%を上回る得票率を獲得している。プラボウォ氏はイスラム保守派を取り込むと同時に、都市部で広がる経済格差に苛まれる若者にも支持を訴えかけていた。

この得票率では、公式結果が出てジョコ氏が大統領として再任した後も、プラボウォ陣営は一定の存在感を持つだろう。

全体的なポイント差は前回選挙より広がっているとはいえ、プラボウォ陣営の票の伸びが顕著な州もある。アチェ、南カリマンタン、西ヌサ・トゥンガラといった保守的イスラム教徒が大多数の州では、圧倒的な得票差でジョコ陣営を突き放している。昨年、大規模震災に見舞われた西ヌサ・トゥンガラを一例に取れば、概ね75対25でプラボウォ陣営が勝っている。だがその西隣のバリ州、そして東隣の東ヌサ・トゥンガラ州ではジョコ陣営が優勢だ。

インドネシア大統領は2期10年で必ず退任しなければならない。つまりジョコ氏が5年後の選挙に出馬する可能性はなく、その分だけ思い切った政治的決断を下せる可能性のある一方、イスラム保守派の影響力が強くなっている。今後、ジョコ氏がこの層からの声をどのように汲み上げるかが注目される。

世界最大級の選挙戦

インドネシアは、世界最大の島嶼国家であり、日本のような火山島が連なる地形で、交通の便が極端に悪い地域も少なくない。そこで今回の選挙では、農村部へホログラムディスプレイを載せた車両が派遣された。立体画像を映し出すホログラムは、まさに本物の候補者が立っているような臨場感を聴衆に与えた。

今回の選挙では運営上の課題も露呈した。今年は計5種類の選挙(大統領選挙、国会議員選挙、地方代表議会選挙、州議会選挙、県・市議会議員選挙)が同時に行われたため、開票作業量が膨大となり、この作業に従事していたスタッフや警備の警官が次々に命を落としているという。現在確認されているだけでも、270人以上が過労死した。

6月に来日の可能性

「世界最大級の選挙戦」として注目された2019年のインドネシア総選挙。当選確実のジョコ氏は、6月にG20サミットを控えている。開催地は大阪だ。このサミットにジョコ氏自身が参加するかは未定だが、もし参加するとしたら、今後5年間を見据えた日尼関係に関して言及するだろう。

ODA案件や外資規制のネガティブリスト改正等、日本企業にとって重要な項目が今後どのように進捗するのかが注目される。

【参考】
Hasil Hitung Suara Pemilu Presiden dan Wakil Presiden 2019 Dari 150.184 TPS-YouTube
Kampanye, Jokowi/Ma'ruf Berwujud Hologram!-YouTube
Banyak Petugas Pemilu yang Gugur, JK: Jangan Ada Lagi Pemilu Serentak - Liputan 6 Pagi-YouTube