米ライドシェアサービスViaがアンコットのアプリ「Tron」をブカシで開始

ニューヨーク発の『Via』というライドシェアサービスがある。創業は2012年で、ミニバンを使った配車サービスを展開する。

利用者はスマホアプリを通じて最寄りのピックアップ地点を検索し、目的地付近まで乗車する。タクシーよりも乗り合いバスに近く、ピンポイントで乗降地点を指定できない代わりに低価格で乗車できる仕組みだ。日本でも伊藤忠商事、森ビルと合弁会社を設立し、既に森ビル従業員を対象にした運行を開始している。

そのViaが今年4月、インドネシアに進出した。現地企業と提携して『Tron』という名のスマホアプリの提供を開始したのだ。

アンコットをオンライン化

インドネシアにはアンコットと呼ばれる乗り物が存在する。

これは複数人の相乗りワゴン車で、バスのように同じ路線を周回する公共交通機関だ。ライドシェアよりもさらに低価格で利用できる。

Tronでは希望の乗降車地点を指定すると、そこから最も近いアンコットの停車位置を表示する。そのアンコットは、指定した目的地付近に向かう車両である。アンコットがどこに停車し、どこへ向かうのか。それと同時に運賃も分かれば、あとで不当な額を請求される心配もない。

Tronはまだブカシの一地域でのみの対応だが、Viaのインドネシア本格進出の話題は、現地各メディアがこぞって取り上げている。

現状は現金決済のみだが…

現在試験的に運行されているエリアでは、3000ルピア(約24円)で乗車できる。しかしここまで安いと、今度はインドネシア特有の「小銭問題」が発生する。バスの運行者が釣り銭として出す小銭を用意しきれないという現象だ。

Tronは現時点では現金決済にしか対応していない。しかしアプリの設計を見る限り、「Payments」という項目が用意され決済手段を選択できるようなレイアウトであることから、将来的にはクレジットカードや電子決済サービスに対応する予定と思われる。

オンライン化する「市民の足」

ジャカルタは、地方からの出稼ぎ労働者が集まる都市でもある。

初めて旅行しにやって来た外国人のように、出稼ぎ労働者もジャカルタの地理に精通していない場合が多い。アンコットという乗り物は低料金ではあるが、その車両がどこへ向かうかをある程度把握していなければ利用しづらいものでもある。それはジャカルタ在住者が地方都市を訪問する場合も同様だ。

低料金で乗車することのできる交通機関は、その地域の実体経済を下支えしている。アンコットがオンライン化もまた、インドネシア都市部の社会課題である「交通の効率化」を推し進めていくだろう。

【参考】

Via