クラウドファンディングで資金調達のインドネシア革靴メーカー

資金調達の一手段としてのクラウドファンディングは、インドネシアでも徐々に定着しつつある。

インドネシア国内にもクラウドファンディングサービスがないわけではないが、それらは「慈善事業の後押し」という色合いがまだ強いようだ。一方でアメリカのクラウドファンディング大手『Kickstarter』・『Indiegogo』等は「何かしらの製品を開発するためのサービス」として認知されている。

こうした『Kickstarter』・『Indiegogo』に少しずつではあるがインドネシアからの開発者が登場し始めている。

インドネシアの「特産品」

今年、もっともスリリングな資金調達を繰り広げたインドネシアの開発者は『Heimdall Footwear』だろう。

ここで言う「スリリング」とは、劇的に大金を集めたという意味ではなく、期限残り3日を切ってようやく目標金額を集め切ったということだ。Kickstarterでは、目標金額に1ドルでも及ばなければ調達金を受け取ることができない。もっともその場合はKickstarterに手数料を払わなくてもいいのだが、いずれにせよ成功と失敗の落差は大きい。

Heimdall Footwearは革靴の製造と販売を扱う企業である。製品は西ジャワ州バンドゥンの職人が縫ったものだという。

日本各地には歴史や気候に基づいた特産品がある。石川県の輪島塗、岩手県の南部鉄器、岐阜県の関刃物など、日本は地域物産に恵まれている。もちろんインドネシアも、各地域にそれぞれの特産品が存在する。しかし、それが外国人に知れ渡っているか否かという話はまた別である。

現に、西ジャワ州では皮革産業が盛んだということは国際的には殆ど知られていない。

これはメイド・イン・インドネシアの輸出を目指す中央政府にとっても課題だろう。

スタートはこれから

革靴の製造とは、言い換えれば皮革産業である。

この分野には強力なライバルが立ちはだかる。欧米のビッグブランドだ。

女の子なら、誰しもエルメスやルイ・ヴィトンのバッグに憧れるだろう。男にとってもイタリア製の革靴はやはり憧れの対象である。グローバル展開ではこうした競争環境下で、Heimdall Footwearはシェアを切り開いていかなければならないのだ。もし打ち手を間違えれば、「欧米製品が買えない人のための二等品ブランド」という印象がついてしまうリスクも考えられる。

本当のスタートは、資金調達を成功させたあとだ。

提示された「道しるべ」

だがそれでも、Heimdall Footwearは「新興国とクラウドファンディング」についてひとつの道しるべを与えてくれた。

それは先述の課題と同時に、「新興国の地域産業を著名にすることができる」という可能性だ。もしこの企業に外国からの資本投資が加われば、西ジャワ州の皮革産業全体に絶大なインパクトを与える可能性もあり、大いに期待したいところである。

【参考】
Heimdall Footwear
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