バリ島活火山が噴火目前か

バリ島にあるアグン山は、この地域最大の聖地である。そしてインドネシア有数の活火山だ。

日本でも活火山は霊場と位置づけられる。それは一種の自然信仰の表れであるが、日本とインドネシアは同じ環太平洋火山帯に沿う国であるという意味でもある。日本人が富士山、浅間山、雲仙普賢岳の噴火と戦ってきたのと同じように、インドネシア人も火山の脅威と向き合っている。

そして此度は、同国最大の観光地であるバリ島でそのような危機が迫りつつあるのだ。

半世紀ぶりの噴火が間近に

アグン山の前回の噴火は1963~64年。この時代は今よりも観光地化されておらず、また現地では「火山噴火は神の意志」と誰もが考えていた。

今はそうではない、とは言い切れない。たとえば日本でも、東日本大震災の時は「調査船ちきゅうによる人工地震」というデマがネット上で発生した。もちろんこれ自体は取り扱うに値しないが、問題は迷信やデマに躍らされた民衆が暴動を起こすかもしれないということだ。

すでにそうしたことが発生している。火山噴火を伝えるためのサイレンが、「噴火2時間前になると音が鳴る予測装置」ということになっているらしい。SNSでそう書き込んだ者がいるのだ。

去年の熊本地震の際に「動物園からライオンが脱走した」というデマが流れたが、これとまったく同じような現象がすでにバリで起こっている。

空港が閉鎖されたら

そしてもうひとつの懸念材料が、空港である。

噴火の規模にもよるが、もし本格的な火山活動が発生すればバリ南部のングラライ国際空港は閉鎖されると考えるべきだろう。運悪く旅行中に火山が噴火したら、どうするべきだろうか?

空港が使えない以上、旅行者は一刻も早くバリ島を出なくてはならない。空港再開まで現地で待つという選択は、もともと長期滞在を予定している人でない限りは難しいだろう。

考えられる手段は、バスでジャワ島東端のバニュワンギ港へ出るというルートである。レギャンからバニュワンギまではバスと船を乗り継いで約4時間の道のり。ここまで行くことができたら、引き続きバスに乗ってスラバヤへ行ってもいいし、鉄道でジャカルタまで行く手もある。

ジャワ島とは反対方向のロンボク島へ行き、そこからインドネシアを出国するという手段もある。だがこちらは噴火の規模によって、ロンボクの空港も閉鎖されてしまう可能性がある。そのまた東はインフラ整備が不十分なスンバワ島だ。それならば、ジャワ島を目指したほうが確実かもしれない。

観光業への影響

さて、この火山噴火の懸念は現地の観光業に大きな影を落としている。

日本人旅行客からのキャンセルが、早速相次いでいるという。ある報道によると、顧客の8割以上がキャンセルしてしまったという業者もいるそうだ。繁華街のレギャン周辺は直接的な噴火の影響はないとされているが、やはり空港閉鎖が懸念されているのだろう。

このタイミングでバリへ旅行するとしたら、最低限の備えと対策は必須である。以下、ジャカルタ及びデンパサールの日本大使館・領事館のアドレスを記載させていただく。

在ジャカルタ日本大使館
Jl. M.H. Thamrin 24,Jakarta Pusat
Tel: +62-21-31924308 (代)
Fax: +62-21-31925460 (代)
Fax: +62-21-3157156(領事部)

在デンパサール日本領事館
Jl. Raya Puputan No.170, Renon, Denpasar, Bali
Tel:0361-227628

【参考・動画】

Aktivitas Vulkanik Gunung Agung Terus Meningkat-YouTube