インドネシアで「クラウドファンディング」は浸透するのか?

世界中のネットユーザーから資金を集め、事業を始める。クラウドファンディングの仕組みは、一般層にも理解されつつあります。

筆者はテクノロジー系メディアとも契約している関係で、クラウドファンディングに関する記事をよく執筆しています。『Indiegogo』と『Kickstarter』は世界の二巨頭とも言える存在で、このふたつのサイトをチェックすれば世界の発明品の7割方は網羅できます。

では、これらのクラウドファンディングにインドネシア発の製品はあるのでしょうか。

一般的な手段ではない「クラウドファンディング」

Kitabisa

結論を先に言ってしまいますが、まだまだインドネシアではクラウドファンディングという選択肢が定着していません。

日本でもそうですが、ごく一般の人にクラウドファンディングの話をしても「クラウドファンディングって何?」と返されてしまいます。すなわち、この形態のサービスがまだ巷には定着していないということです。

地場系クラウドファンディングがない、というわけではありません。ですがそれらは寄付という色合いが強く、たとえば「重病の患者を救おう」というようなプロジェクトが大半を占めています。もちろん、それは非常に重要なことではありますが、同時にクラウドファンディングをビジネスの一手段として解釈する発想がまだ根付いてないようにも思えます。

別府市の湯〜園地プロジェクトのようなことをインドネシアの地方自治体がやっている、という例はあるのでしょうか。探せばあるのかもしれませんが、無知な筆者の耳にそういう話は飛び込んできていません。

Indiegogoで成功した業者

一方で、世界的クラウドファンディングのIndiegogoにはインドネシア発の製品がいくつかあります。

以下はジャカルタのスタートアップが開発したドレスウォッチ『Elgis』。マジャパヒト王国の装飾を文字盤のデザインに組み込んだという製品で、数量限定の提供です。

>Elgis Watch - Experience The Heritage Reinvention(Indiegogo)

https://www.indiegogo.com/projects/elgis-watch-experience-the-heritage-reinvention-watches-unique--2#/

Indiegogo

見たところ、決して悪い製品ではないのですが出資状況はイマイチ。残り期限25日の時点で、目標額の3%に留まっています。

一方、革のバッグを出展して目標額の250%もの資金を集めた業者が存在します。

>Leather Bags by Cravar(Indiegogo)

https://www.indiegogo.com/projects/leather-bags-by-cravar-travel-style#/


Indiegogo

この製品の開発者はどうやら「Indiegogoで資金を集めて起業する」というわけではなく、あくまで注文を受け付ける一手段としてIndiegogoを利用したという流れのようです。そして、これ以外にIndiegogoで製品を出展しているインドネシアのスタートアップはなかなか見当たりませんでした。

インドネシア勢飛躍の兆候?

このように、インドネシアでは「ビジネスの手段としてのクラウドファンディング」がまだ浸透していません。

一方、隣国シンガポールは数多くのスタートアップを輩出し、IndiegogoやKickstarterで巨額の投資を集めています。これはやはり小国故の使命感と言うべきでしょうか。それに比べてインドネシアは遅れが否めない……というわけでは決してなく、政府は2020年までに1,000のスタートアップを登場させると公表しています。それに合わせ、ジャカルタやスラバヤなどの大都市ではスマートフォンを介した新しいサービスが一気に増加しました。

今後、世界に視野を向けた野心的なスタートアップが続々現れるはずで、それと同時にクラウドファンディング界隈もインドネシアからの顔ぶれが充実すると見るべきでしょう。

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