メルカトル地図で再確認するインドネシアの「大きさ」

東西5000キロの国

「インドネシアって、どのくらい大きいの?」

インドネシアの話をすると、この国のことをあまり知らない人からそういうことをよく質問されます。これに対して、皆さんはどう答えるでしょうか?

例えばウィキペディアに書いてあるように、

「5,110kmと東西に非常に長く、また世界最多の島嶼を抱える国である」

と答えても、普通の人にはなかなかピンときません。5000キロなどという距離は、我々が普段接することのない数字です。それに説得力を持たせるには、また違った表現が求められます。

筆者の場合は、

「インドネシアの端から端までの距離は、ポルトガルのリスボンからトルコのイスタンブールまでの距離よりもまだ長い」

と説明していますが、すると今度は「リスボンからイスタンブールって、日本だとどれくらい?」という質問が返ってきます。

そこで今回は、「インドネシアの大きさ」を一目で実感できるサイトをご紹介します。

メルカトル地図の欠点

The True Size Of』は、アメリカのコンピュータープログラマーが開発した「国の面積を正確に知るための」サイトです。

我々が普段接している世界地図は、実は土地の大きさをあまり正確に記していないという事情があります。これはメルカトルという、16世紀のオランダの地図学者が発明した図法により描かれているのですが、経緯度を均等に表しているため南北の極地に近づけば近づくほど土地が大きくなってしまうという欠点があります。

となると、損をしているのは赤道直下の国々。極地に近い国よりも、格段に小さく見えてしまいます。メルカトルの爺さんが生涯改良しようとしなかったこの点について、知らない人は案外多いのです。

しかしこの『The True Size Of』は、指定した国の国土を切り取って上下に動かすと、メルカトル図法の誤差に基づいて伸び縮みします。例えば、インドネシアを東アジアに置いてみると、

日本はおろか、中国すらも凌駕してしまうほどの大きさだということが分かります。もしインドネシアの最東端を大阪に合わせると、その最西端は中央アジアに達してしまいます。

アメリカ合衆国とも比べてみましょう。

西海岸から東海岸まで、インドネシアが突き抜けてしまいます。

そしてさらに驚きなのが、ロシアと比べた場合。ロシアは北極に近く、メルカトル図法では現実よりもかなり大きく描かれてしまっています。

このようにインドネシアの大きさはロシアのそれに敵わないまでも、かなりの幅広さを有しているということが分かります。

この国でモノを売ること

これを前提に改めてインドネシアを観察すると、様々なことが見えてきます。

インドネシア全体の大きさを確認すると、ジャワ島はむしろその中の一片に過ぎないということが実感できます。ではこの「ごく一片」に国際空港や高速道路、鉄道、発電所、ダム、そして経済特区などを集中的に整備したら、その他の地域の人々はどう思うでしょうか。

「どうしてジャワ島ばかり!」

そう考えてしまうのは、やはり人情というもの。中央政府の議員ももちろんジャワ島出身者ばかりではないのですから、地方の声を無視するわけにはいきません。先ほどの高速鉄道計画の白紙撤回も、そうした背景があります。

また国がこれだけ広大だと(しかも陸続きではなく、ところどころ海に阻まれている)、各地域への人の移動や物の輸送に大変な労力が生じます。とある日系電機メーカーでは商品のアフターサービスの充実に力を入れていますが、やはり地方島嶼部からの修理依頼などには難儀しているとのこと。もしジャカルタのオフィスに「洗濯機が壊れたから直してくれ」という電話がパプア州の中小都市からかかってきたら、そこから壮大な冒険の始まりです。東京から沖縄に行くのとは訳が違います。しかし「できません」とは絶対に言えません。

「インドネシアでモノを売る」というのは、そうした大きなエネルギーを伴う責任が生じます。

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